第54回シカゴ国際映画祭が10月10日に開幕、21日まで開催される。
同映画祭は1964年に創設され、国際コンペティション (審査) 部門を持つ映画祭として北アメリカで最も古い歴史を持つ。2週間にわたり上映される作品はシカゴで初公開となるものばかりで、毎年5万人以上が劇場を訪れる。
今年は51カ国から厳選された長編140本と短編50本を一つの劇場で上映。日本映画2本は10月12日から17日にかけて公開される。『ミスミソウ』はホラー系のエンターテイメントを見せるアフター・ダーク部門で、『万引き家族』は世界に影響を与えた名監督を紹介するマスターズ部門での上映だ。
シカゴ国際映画祭
◎料金
一作につき 一般 $15、シニア・学生・映画祭会員 $12
特別上映 一般 $20、映画祭会員 $17
マチネ(平日午後5時前の上映)$8
夜間(毎日午後10時以降の上映)$10
10回券 一般 $140、映画祭会員 $110
20回券 一般 $265、映画祭会員 $205
◎チケット
シカゴ国際映画祭チケット
312 - 332 - 3456
◎会場
AMC River East 21
322 East Illinois Street, Chicago, IL 60611
◎上映スケジュール
『ミスミソウ』Liverleaf
監督:内藤瑛亮 Eisuke Naito(2017年、114分)
原作は押切蓮介の同名ホラー漫画。『先生を流産させる会』(2012) 、『ライチ☆光クラブ』(2016) で注目された内藤瑛亮監督が忠実に映像化した。日本では4月に公開。
東京から閉鎖的な田舎の学校に転校して来た春花 (山田杏奈) 。同級生からいじめに遭うが同じ転校生の晄 (清水尋也) が心の支えになっていた。日々いじめは激しさを増し、ついに放火で両親を失い、大切な妹も重傷を負う。雪のなかで春香は復讐を決意し、いじめた全員を一人づつ、壮絶な方法で殺害していく。春香はミスミソウのように冬を越えることができるのか。
10月12日(金)10: 30 PM
10月17日(水) 3: 00 PM
『万引き家族』Shoplifters
監督:是枝裕和 Hirokazu Kore-eda(2018年、121分)
『誰も知らない』(2004) 、『そして父になる』(2013) で人間の哀しさと温もりを描き、多数の受賞歴を持つ是枝裕和監督。是枝の劇場映画デビュー作となった『幻の光』(1995) は同年の第31回シカゴ国際映画祭で最高賞にあたるゴールド・ヒューゴー賞を受賞した。実際に起こった年金の不正受給事件をもとに、原案、脚本とも是枝が手がけた『万引き家族』は今年のカンヌ映画祭でパルム・ドール (最高賞) を獲得した話題作だ。日本では6月に公開。
都会の片隅で治 (リリー・フランキー) と信代 (安藤サクラ) の夫婦、息子の祥太 (城桧吏) 、信代の妹の亜紀 (松岡茉優) 、祖母の初枝 (樹木希林) が古い平屋に住んでいる。一家の収入源は初枝の年金で、足りない生活品は家族ぐるみの万引きで手に入れていた。冬の寒い夜に、ひとしごと終えた治は団地の外で震える幼女ゆり (佐々木みゆ) に同情し、家に連れて帰る。貧しいながらも仲の良い6人家族となったが、ある事件をきっかけに家族の秘密が明らかになっていく。
10月16日(火)8: 30 PM
10月17日(水)8: 15 PM
(文責:斉藤博子 Text by Hiroko Saito )
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