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執筆者の写真Chicago Samurai

2019年 第55回シカゴ国際映画祭 注目の日本映画4本

更新日:2020年2月19日

『真実』The Truth 監督:是枝裕和 Hirokazu Kore-eda(2019年、106分) 公式サイト:https://gaga.ne.jp/shinjitsu

 第55回シカゴ国際映画祭が10月16日に開幕、29日まで開催されている。

同映画祭は1964年に創設され、国際コンペティション (審査) 部門を持つ映画祭として北アメリカで最も古い歴史を持つ。2週間にわたり上映される作品はシカゴで初公開となるものばかりで、毎年5万人以上が劇場を訪れる。


 今年は67カ国から厳選された長編140本と短編55本を一つの劇場で上映。日本映画4本は10月17日から25日にかけて公開される。『真実』は特別上映、『宮本から君へ』と『パラダイス・ネクスト』は色々な国の現在の姿を紹介するグローバル・カレント部門、『よこがお』は国際コンペティション部門で世界各国の秀作とゴールド・ヒューゴー賞(金賞)を競う。


シカゴ国際映画祭


◎料金

一作につき 一般 $18、シニア・学生・映画祭会員 $15

特別上映 一般 $23、映画祭会員 $20

マチネ(平日午後5時前の上映)$10

夜間(毎日午後10時以降の上映)$13

10回券 一般 $150、映画祭会員 $120

20回券 一般 $275、映画祭会員 $215

◎チケット

シカゴ国際映画祭チケット

312 - 332 - 3456

◎会場

AMC River East 21

322 East Illinois Street, Chicago, IL 60611

◎上映スケジュール 



『真実』The Truth

監督:是枝裕和 Hirokazu Kore-eda(2019年、106分)

 

『万引き家族』(2018) で昨年のカンヌ映画祭パルム・ドール (最高賞) を獲得した是枝裕和監督による最新作だ。フランスとの共同制作で会話は仏語と英語、今回の上映は日本語字幕はない。

フランスの国民的大女優ファビエンヌ (カトリーヌ・ドヌーブ) が『真実』という名の自伝を出版する。出版祝いのためアメリカから娘リュミール (ジュリエット・ビノシュ) の家族がやって来るが、家族が気になっていたのは自伝に何が書かれていないか、ということだった。長年にわたる母と娘の心の葛藤と影が会話から露わになっていく。

是枝監督の劇場映画デビュー作となった『幻の光』(1995) は同年の第31回シカゴ国際映画祭で最高賞にあたるゴールド・ヒューゴー賞を受賞した。以来、是枝監督の新作はシカゴ国際映画祭で必ず上映されている。

10月17日(木)8: 00 PM



『よこがお』A Girl Missing

監督:深田晃司 Koji Fukada (2019年、111分)

公式サイト:https://yokogao-movie.jp

 

『淵に立つ』(2016) で同年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した深田晃司監督による最新作。フランスとの共同制作だが舞台は日本。ひとりの女性の絶望と希望を描いたヒューマン・サスペンス。

訪問看護師として実直に生きる市子 (筒井真理子) は、訪問先の大石家で長女の基子 (市川実日子) に慕われる。基子の妹サキ (小川未祐) が失踪し、無事に保護されたものの市子は加害者の濡れ衣を着せられ、職も社会的な信用も失ってしまう。市子は名前をリサと変えて復讐を決意した。

10月17日(木)2: 00 PM

10月22日(火)8: 45 PM

10月24日(木)6: 00 PM



『宮本から君へ』Miyamoto

監督:真利子哲也 Tetsuya Mariko(2019年、130分)

公式サイト:https://miyamotomovie.jp


 原作は新井英樹の同名漫画。作者のサラリーマンとしての実体験が基になっている。漫画は1994年に完結したが2018年にテレビドラマ化され、日本で話題になった。ドラマ12話すべての脚本と演出を手がけたのは映画監督の真利子哲也。2019年の映画版でも真利子がメガホンを取った。

東京の文具メーカーに勤務する営業マン、宮本 (池松壮亮) は不器用だが正義感の強い若者だ。先輩の神保 (松山ケンイチ) を通して他社のOL 靖子 (蒼井優) と知り合い、恋に落ちた宮本は、靖子を巡り、靖子の元彼・風間 (井浦新) 、取引先の部長の息子・拓馬 (一ノ瀬ワタル) を巻き込み、勝てそうもない決闘に挑むことになる。

10月18日(金)8: 30 PM 真利子監督の舞台挨拶あり 

10月19日(土)9: 45 PM 真利子監督の舞台挨拶あり



『パラダイス・ネクスト』Paradise Next

監督:半野喜弘 Yoshihiro Hanno(2019年、101分)


 台湾の巨匠ホウ・シャオシェン監督の『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(1998) 、『ミレニアム・マンボ』(2001) などの映画音楽を担当したパリ在住の作曲家、半野喜弘による長編映画。全編を台湾で撮影したノワール・サスペンスで、テーマ音楽を坂本龍一が手がけている。台湾との共同制作。

日本から離れ、台北で身を隠すように生活するヤクザ、島 (豊川悦司) の前に突然お調子者の男、牧野 (妻夫木聡) が現れる。牧野は島が台湾に来るきっかけになった事件の真相について知っており、何者かに追われているという。二人の男の逃避行が始まった。

10月24日(木)8: 30 PM 半野監督の舞台挨拶あり

10月25日(金)8: 15 PM 半野監督の舞台挨拶あり




(文責:斉藤博子 Text by Hiroko Saito )

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