top of page
執筆者の写真Chicago Samurai

シカゴ帯広交流展『思考回路』 ローガン・スクエアのヘアピン・アーツセンターで 7月27日にクロージング・レセプション


左から 前列:岩沢美香、根宜清美、上ノ大作、目秦寛史 後列:加藤俊久、三谷哲郎、小田碧雲、スティーブン・トヨダ、青木希音、青木達幸 Left to Right, Front Row: Mika Iwasawa, Kiyomi Negi, Daisaku Ueno, and Hiroshi Mehata Back Row: Toshihisa Kato, Tetsuo Mitani, Hekiun Oda, Stephen Toyoda, Kioto Aoki and Tatsuyuki Aoki

 北海道帯広市の美術団体『帯広コンテンポラリーアート』は2014年から毎夏、シカゴ市でグループ展を開いてきた。2014年は中西部仏教会の銀座ホリデー Ginza Holiday とアルバニーパーク・ワールドフェス Albany Park World Fest 、2015年と2016年はアップタウン・アーツセンター Uptown Arts Center 、2017年と2018年は在シカゴ日本国総領事館にある広報文化センター Japan Information Center 。


ヘアピン・アーツセンター Hairpin Arts Center

 今年はシカゴの北西部、ローガン・スクエア Logan Square 地区にあるヘアピン・アーツセンター Hairpin Arts Center である。帯広コンテンポラリーアートは昨年からシカゴの芸術団体『アジアン・インプロブ・アーツ・ミッドウェスト Asian Improv aRts Midwest (AIRMW) 』と交流提携を始めた。今回は AIRMW が主導し、シカゴと帯広のアーティストによるグループ展『思考回路 Shikou Kairo: Patterns of Thought 』を実施した。


 7月8日に開幕した同展では帯広から梅田マサノリ、上ノ大作、目秦寛史、シカゴから小田碧雲、根宜清美、青木希音が参加している。6年連続でシカゴで展示するのは梅田と上ノ。梅田の油彩『虚と実 ≒ 近と遠 Being Coming 』は2011年の東日本大震災を振り返り、自身の内面の変化をとらえたもの。丸みを帯びた抽象画は命をつなぐ生物的な要素を連想させる。上ノは昨年に続き、赤い竹を編んでオブジェ『ネスト Nest 』を公開制作。展覧会期間中は会場で作業し、27日のクロージングで完成品を公開する。

(左) 梅田マサノリ『虚と実 ≒ 近と遠』  Masanori Umeda  "Being Coming"

(右) 上ノ大作  Daisaku Ueno 



目秦寛史 Hiroshi Mehata

 初参加の目秦はメハタ・センチメンタル・レジェンドという名で2011年から国際的に活動する音楽家。ノイズとエクスペリメンタルの分野で海外公演を行い、評価を得ている。今回は帯広で馬が実際に付けていた馬蹄をトライアングルのような楽器に改造して展示した。





 

小田碧雲『夏』 Hekiun Oda "Summer Thoughts"

 シカゴを代表する書家、小田は松尾芭蕉の俳句「夏くさや兵どもが夢の跡」を絹の暖簾に流麗な筆致で記した作品を発表。7月12日に『夏 Summer Thoughts 』というテーマのもと藤間淑之丞 (日本舞踊) とコラボレートした時に制作された。


 根宜と青木は共に日本人の両親を持ち、シカゴで生まれ育った日系アメリカ人二世。根宜はイラストレーター、青木は写真家として活動するかたわら司太鼓の中心メンバーとして演奏も行っている。二人は今年6月、帯広に1ヶ月近く滞在し、地元の人々との交流を重ねて作品を生み出した。

 『帯広紀行 Obihiro Impression Log 』(写真左)は根宜が滞在中に出会った人たちを鮮やかに描いた群像カリカチュア (似顔絵) 。温かい笑顔が壁面に溢れている。対照的にモノクロームの世界が広がるのは青木の『あずりピン・ホール pin・whole 』(写真右)。青木は帯広で知り合った人たちに、生活に密着した「物」を持参するように頼み、その「物」に小さな穴を空けて即席ピンホールカメラを製作、そのまま撮影したぼやけた画像集を展示した。「あずる」とは帯広の方言で「手こずる」という意味。小さな穴を開けるべく青木が「あずった」物が会場に陳列されている。


シカゴ帯広交流展 Chicago/Obihiro Exchange Project

 19日のオープニングには司太鼓、豊秋三味線、秀舞会などを統括する AIRMW の総監督、タツ・アオキこと青木達幸が挨拶に立った。同団体が日本の伝統芸能に加え、帯広コンテンポラリーアートの協力を得て美術の分野にも進出し、次世代へ貢献できることへの謝意を述べた。


 帯広で世話人をつとめた岩沢美香、Takmi Company の花木勤、これまで帯広のアーティストを支援してきた在シカゴ日本国総領事館の加藤俊久 (広報文化センター長) 、シカゴ日本商工会議所の三谷哲郎 (事務局長) 、日本文化会館のスティーブン・トヨダ (代表、合気道師範) 、各氏はじめ過去6年で親交を築いた人たち、そして初めて帯広のアーティストに触れるシカゴの人たちが会場に集い、和やかな一時を過ごした。

7月27日 (土) 午後5時から8時までクロージング・パーティ (入場無料) が開かれる。


◎展示アーティスト 6名

上ノ 大作(コンテンポラリーアート)Daisaku Ueno (Contemporary Art)

梅田 マサノリ(絵画)Masanori Umeda (Painting)

目秦 寛史(実験音楽)Hiroshi Mehata (Experimental Music)

小田 碧雲(書道)Hekiun Oda (Japanese Calligraphy)

根宜 清美(イラストレーション)Kiyomi Negi (Illustration)

青木 希音(写真)Kioto Aoki (Photography)

◎期間

7月8日 (水) − 7月28日 (日)  水 − 日 1 − 8 pm

クロージング・レセプション 7月27日 (日) 5 − 8 pm

入場無料

◎会場

Hairpin Arts Center

2810 N. Milwaukee Avenue

Chicago, IL 60618

(773) 661 - 6361

◎展覧会サイト

シカゴ帯広交流展 Chicago/Obihiro Exchange Project





(文責:斉藤博子 Text by Hiroko Saito )


閲覧数:177回0件のコメント

Comments


bottom of page