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  • 執筆者の写真Chicago Samurai

石田徹也 回顧展  『Self-Portrait of Other 他人の自画像』  シカゴのギャラリーで12月14日まで


『接触 Contact 』(1998年) © Tetsuya Ishida, 2019; Photograph Takemi Art Photos, courtesy Kyuryudo Art Publishing Co., Ltd.

31歳で亡くなり、その特異な作風で近年ヨーロッパと日本で高い評価を受ける画家、石田徹也の回顧展がシカゴのギャラリー、ライトウッド659で開かれている。1973年に静岡県焼津市で生まれた石田は武蔵野美術大学在学中に画家として本格的に活動を始め、卒業後も就職せずに工場などでアルバイトをしながら創作に打ち込んだ。2005年に踏切事故で生涯を閉じるまで、10年間で残した作品は約180点。存命中は一部の美術関係者のみに知られる存在だったが、2006年に作品がNHKのテレビ番組『新日曜美術館』に取り上げられたことから注目されるようになった。


『無題 Untitled 』(1997年) © Tetsuya Ishida, 2019; Photograph Takemi Art Photos, courtesy Kyuryudo Art Publishing Co., Ltd.

 『接触 Contact 』(1998年) 、『無題 Untitled 』(1997年) など石田の絵画には、他人と同じように足並みを合わせて人の顔色をうかがう日本社会の、息が詰まるような窮屈な感覚や、品物が溢れすぎた世の中で人間そのものが消費され、疲れていく様子が描かれている。石田の作品世界は突飛でグロテスクではあるが、ダリやマグリットなどシュルレアリスム (超現実主義) の巨匠と通じる卓越した絵画技術があり、昭和のノスタルジーが漂う画風は見る者を惹き付けてやまない。


 今回の展覧会は第56回ベネチア・ビエンナーレ (2015年、イタリア) で石田の作品に魅了された国立ソフィア王妃芸術センター Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia (スペイン) の展示部長テレサ・ベラスケス Teresa Velazquez 氏の企画。同センターでの展示を終え、北米で初めての石田の回顧展となった。およそ70点が会場に展示されている。

ライトウッド659での石田徹也 回顧展 Tetsuya Ishida Retrospective at Wrightwood 659 Photo by Hiroko Saito

 ライトウッド659では、同ギャラリーの内装を手がけた建築家、安藤忠雄による直島 (香川県) プロジェクトに関する企画展『 Museums & Galleries 美術館 & ギャラリー』も行っている。


Wrightwood 659

659 W. Wrightwood Avenue

Chicago, IL 60614

773 - 437 - 6601


"Tetsuya Ishida: Self-Portrait of Other"


"Ando: Museums & Galleries"


石田徹也 公式サイト


木金:12: 00 - 18: 00

土: 10: 00 - 17: 00

料金:$ 16

  (予約の時間帯によっては無料になることがある。)

要予約。入場券は下記ウェブサイトのみ購入可能。




(文責:斉藤博子 Text by Hiroko Saito)




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