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  • 執筆者の写真Chicago Samurai

シカゴ美術館 千住博 個展『シカゴにおける千住の滝 Senju’s Waterfall for Chicago』6月26日まで


『シカゴにおける千住の滝』鑑賞者 Viewers of ”Senju’s Waterfall for Chicago” Photo by Hiroko Saito


現代の日本を代表する芸術家のひとり、千住博 (1958年、東京都生まれ) による個展がシカゴ美術館のアンドウ・ギャラリーで開かれている。


千住は滝を主題にした日本画で有名だ。今回も『シカゴにおける千住の滝』という題名のもと、いくつもの滝が展示室に出現している。


1992年に安藤忠雄が設計したアンドウ・ギャラリーは日本美術部門にある。展示部分の天井が低く、暗い室内に16本の角柱が並ぶ、独立した空間だ。


ギャラリーに入ると、青い色を背景に流れ落ちる数十の白い滝が目に入る。勢いよくぶつかるものもあれば静かに滴るものもあり、下方はしぶきが上がっている。静かで厳かな雰囲気を通して、果てしない生命力と美しさが伝わってくる。




千住が12対、24枚からなる屏風に描いた滝は写真よりもリアルで、流れる音が聞こえてきそうだ。これらの作品は和紙に絵具を流したり、蛍光顔料を直接吹きかける技法で制作された。千住が「対象を描いた」というより、卓越した技法で「対象である滝を再現した」という方が適切かもしれない。



『シカゴにおける千住の滝』 ”Senju’s Waterfall for Chicago” (c) The Art Institute of Chicago, Hiroshi Senju

 今回の千住の展示は、鑑賞者が単に絵画を眺めるのではなく、青い光に包まれて思考を巡らせていく体験を生み出し、好評を博している。


 ニューヨークを拠点に活動する千住博は東京藝術大学在学中から優れた日本画を発表してきた。1995年にヴェネチア・ビエンナーレ (イタリア) で名誉賞を受賞し国際的な評価を確立、近年は羽田空港や高野山金剛峯寺に作品が常設されている。


 本展覧会を企画したジャニス・キャッツ Janice Katz 学芸員によると、今回の作品は千住からシカゴ美術館に寄贈されたもので、今後も不定期ではあるが展示される機会があるという。



『千住の滝』(2019年) 部分  A close-up detail of "Senju’s Waterfall” (2019) (c) The Art Institute of Chicago, Hiroshi Senju

『シカゴにおける千住の滝』

シカゴ美術館 アンドウ・ギャラリー(109室)

“Senju’s Waterfall for Chicago”

AIC Ando Gallery (Gallery 109)


シカゴ美術館トラップ・バーチャル講演会:シカゴにおける千住の滝

AIC Trapp Virtual Lecture: Senju’s Waterfall for Chicago





◎シカゴ美術館

The Art Institute of Chicago

111 S. Michigan Avenue, Chicago, IL 60603

312 - 443 - 3600

○開館時間

木 - 月 11: 00 - 17: 00

休:火水

(6月23日から木曜は20時まで開館)

○入館料

一般 $25 シニア・学生 $19 14歳未満は無料

シカゴ市在住者 一般 $20 シニア・学生 $14

イリノイ州在住者 一般 $22 シニア・学生 $16

(チケットは事前購入が必要)

○留意事項

荷物の預入れ不可。

コートチェックと館内カフェは閉鎖中。




(文責:斉藤博子 Text by Hiroko Saito )







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