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  • 執筆者の写真Chicago Samurai

ジャズシンガー、ポール・マリナロ救済コンサート。シーラ・ジョーダンら豪華ゲストが参加。

更新日:2018年3月9日


持病の憩室炎が悪化し、昨年のクリスマスに緊急手術。すべてのコンサート予定のキャンセルを余儀なくされたシカゴのジャズシンガー、ポール・マリナロ。今後も数回の手術を要し、我慢の日々を送る彼を励ますため、シカゴのジャズ界が立ち上がり資金集めのコンサートが開かれた。スペシャルゲストとして、ニューヨークからシーラ・ジョーダンも駆け付けた。89歳が44歳を励ます夜に、超満員の観客は酔いしれた。


会場は、シカゴの老舗ジャズライブハウス、「Jazz Showcase」。創業1947年。 アート・ブレイキー、フレディ・ハバード、デクスター・ゴードンなど名だたるジャズメンたちがこの店で演奏し、今もと欄ペッたー、ロイ・ハーグローブらのシカゴでのホームになっている。今年で92歳になる創業者のジョー・シーゲルは、シカゴ、アメリカのジャズシーンを支え続けてきた功労者。それだけに、ミュージシャンを息子や孫のように想う気持ちが強い。このようなとき、この店はいつもこうやって温かい手をさしのべる。


このコンサートをとりまとめたのは、ポールの親友でオスカー・ピーターソンの末娘、セリーヌ・ピーターソン。昨年末から、ポールのために数えきれないほどNYとシカゴを往復した、と笑う。この日も、サイレントオークション用にと父、オスカーのCDなどがぎっしり詰められたスペシャルBoxを用意し、来場者に資金を募るなどこのコンサートを影で支えた。




ポール自身が彼女の歌声を聞いて圧倒されたと語る、シカゴを代表する女性ジャズシンガー、ディー・アレキサンダーがソウルフルな歌声をプレゼント。得意なセロニアス・モンクが炸裂する。絶妙のギターを聞かせるのは、名手、マイク・アルマーナ。




御年89歳のジャズレジェンドは、ポールと昨年のシカゴ・ジャズフェスティバルで共演した仲。彼を実の息子のようにかわがっており、今回の救済ライブを聞いたときも一番に参加を表明したそうだ。


あなたのこと、どれほど大切に思っているかわかっているの?と語りながら歌った「How Deep Is The Ocean」の情感に思わず涙。これからの世の中がもっと平和になりますように、との想いを込めてケニー・ドーハムの名曲「Fair Weather」を色彩豊かな表現力で歌い上げる。


Peace on earth, and good will to all Who make it divine and so real Plant seeds for good deeds, like the trees and of course, love will grow! Money doesn’t fit into the scheme of things So how can a house be built on angel wings? Fair weather Together Fair weather my friend



89歳にしてこの声の張りと艶。椅子に腰かけるでもない。まさに21世紀の奇跡のシンガーだ。


最後に彼女がポールをステージに呼ぶ。このコンサートをずっと客席後方で見守っていた彼はやや緊張した面持ちでステージに上がり、尊敬してやまないシーラとデュオ。「あなた、本当にハンサムねぇ」と何度もポールを覗きこみ、会場の爆笑を誘う。ふたりのアドリブの掛け合いににも拍手喝采。

「この病気と闘いながら自分の運命を呪う日々が続いていました。けれど今日こうやってこんなに多くの人たちの愛に包まれることができた。その幸せをかみしめています。まだしばらくやるべきこと(手術)はありますが、またこうして皆さんの前で歌える日を楽しみにしています。だってこんなに気持ちいいんですから!」


You should come back soon, because you are so much in loved!


※ジャズ・ショウケース Jazz Showcase

http://www.jazzshowcase.com/

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