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執筆者の写真Chicago Samurai

シカゴ MEETS 大阪。シカゴ-大阪姉妹都市45周年記念イベントで「ちんどん屋」さんが残したインパクト。

更新日:2018年6月14日


シカゴのマグマイルを練り歩く「ちんどん通信社」の皆さん。(208年6月6日 ウォータータワー前)

 1973年11月9日に大阪市とシカゴ市がパートナー都市提携を結んで、今年で45周年。これを記念して、吉村洋文・大阪市長ら一行が6月6日から12日までシカゴを訪問、シカゴ美術館やミレニアムパークなどを視察した。また今回の訪問期間中、大阪の「御堂筋」とシカゴのミシガン通りの北約1.6キロメートルに広がるメインショッピング通り「マグニフィセントマイル(Magnificent Mile)」との「姉妹ストリート協定」も締結された。


 ところで、今回の大阪市視察団とともにシカゴ入りしたのは、なんと関西で活躍するプロのちんどん屋「ちんどん通信社」の一行。6月6日には、派手やかな江戸時代の衣装をまとった一行が、鉦、太鼓、バンジョー、クラリネットを鳴らしながら、買い物客でにぎわう午後のマグニフィセントマイルを練り歩いた。




 シカゴの大火(1871年)で唯一焼け残った歴史的建造物、「ウォータータワー」の前から出発したパレードには、吉村市長、伊藤直樹在シカゴ日本国総領事、噂を聞きつけて集まった在シカゴ日本人やその呼びかけでかけつけた現地シカゴの人たちも参加。浴衣や法被、なぜか空手の道着、はたまたロリータ・ファッションや阿波踊りの衣装など、思い思いのコスチュームに身を包んだ人たちが後ろについてパレード。昔懐かしい軽やかなちんどんのリズムに乗せた「六甲おろし」がシカゴの街に鳴り響くというシュールな光景に、すれ違う人たちが盛んに携帯のシャッターを押していた。


(上)吉村市長もOSAKAと書かれた青い法被でパレードに参加。



 友人に誘われて見に来たというアメリカ人女性のハッティーさんは、日本の伝統芸能でもある「ちんどん屋」の説明を聞き

「心がわくわくする素晴らしいリズム。ニューオリンズのストリートパレードを思い起こさせてくれますね!」

 翌6月7日には、シカゴのジョン・ハンコックセンター最上階の展望台「360シカゴ」で一般客を招いてのスペシャル親善パーティーが開かれ、参加者は眼下に広がる美しいシカゴの高層ビル群を見ながら地元レストランによるたこ焼きや鳥のから揚げなどの「大阪の味」に舌鼓を打った。




(左)地元ABCニュースのレポーターで、 親日家でも知られるSteve Dlinsky氏が司会進行役をつとめ、「大阪とシカゴの友好関係は”出汁”のようなもの。大阪が”昆布”でシカゴが”鰹”。ふたつそろって味が増す」と粋なコメント。





 ここでも見事な盛り上げ役を果たし、場を和ませてくれたのが、「ちんどん通信社」だ。展望台に居合わせた観光客も思わず体でリズムを取り始める。本物だけがもつ芸のインパクトは世界共通なのだ。


 リーダーの林幸治郎さんは、立命館大学の「ニューオリンズジャズ研究会」を立ち上げたトランペット奏者。日本人の演奏する”ジャズ”に行き詰まり感を感じていたときちんどん屋と出会い、「これこそ日本人吹くトランペットの音だ」と感動し、それからこの道一筋に生きてきたという。ニューオリンズや海外でも演奏する機会も多く、ちんどんのリズムは世界を超えてきた。




(左)

今回の「ちんどん企画」の仕掛け人である、日経新聞シカゴ支局の記者でミュージシャンの野毛洋子さん(大阪出身)は、「(ちんどん屋さんを呼ぶという)この発想は民間人でしかありえない、と言われた」としてやったりの表情。



 けったいな人がけったいな人を呼び、そこにけったいな人たちが集まった、このけったいな「大阪シカゴ姉妹都市45周年イベント」は、他の都市ができないような強烈なインパクト与えたことは間違いない。政治も経済も、しょせんは人と人が手を携えてこそ前に進んでいくもの。その壁をゆるくほぐしてくれるものが人々の笑顔。笑いの文化が根付く大阪からやってきたちんどん屋さんが果たした役割はとてつもなく大きい。

 大阪とシカゴ、このゆる~くゆるぎない関係は、これからも末永く続いていくだろう。


総領事も市長も踊る。こんなノリの親善ができるのは、大阪しかない!



※そのほかの写真はこちらからご覧いただけます。(All photo & video by Shoko Nagano)

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